日本の文具文化を牽引してきたぺんてる株式会社や株式会社サクラクレパスといった老舗メーカーは、この問題の最前線に立っていた。彼らが求めたのは、単なる名称の変更にとどまらない。色覚の多様性に配慮したカラーユニバーサルデザインの導入など、すべての人に寄り添う製品づくりへの構造改革である。
誰もが識別しやすく、安心して表現を楽しめる色使い。製品パッケージの表記や配合の見直しには、途方がないほどの試行錯誤が伴った。開発陣は学校現場の声に耳を傾け、色彩心理学や視覚特性の専門家とともに検証を重ねた。企業のプライドと社会的責任が交錯する中で生まれたイノベーションは、文房具の可能性を大きく広げる結果となった。