ミリオンヒットを連発し、ポップスターとしての地位を確立する一方で、上杉昇の関心はよりディープなロックミュージックへと向けられていた。ニルヴァーナのカート・コバーンに強い共感を覚え、自らのボーカルスタイルや楽曲制作においても、より歪んだギターサウンドと情感豊かなシャウトを求めるようになっていく。
1995年作のアルバム『PIECE OF MY SOUL』では、それまでのポップ路線から一転、ダークでヘヴィな世界観を前面に押し出した。ポップスを求めるレーベルやファンとの摩擦を生みつつも、自らの表現者としての誠実さを貫こうとしたこの時期の挑戦は、後に彼が唯一無二のロックシンガーとして大成するための決定的な転換点となった。