本作のバックボーンにあるのは、19世紀を代表する童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが遺した数々の名作群だ。一般的に知られる美しく可憐な物語の裏側には、愛と死、残酷な犠牲の物語が静かに潜んでいる。とりわけ名作『人魚姫』に秘められた真の悲劇性は、時代を超えて人々を魅了し、同時に恐れさせてきた。
今回の映画化では、あえてその甘美なオブラートを剥ぎ取り、人間のエゴと愛憎が交錯するダークファンタジーの神髄へと踏み込む。児童文学として記された原案の奥底に横たわる、グロテスクで美しい真相。現代の観客がこれまで見落としていた「童話の本当の恐ろしさ」が、スクリーン上で残酷なまでの美しさをもって蘇る。