ドラマ放送当時、ネット上では「リンダには実在のモデルがいるのか」という議論が過熱しました。公式には特定の人物を唯一のモデルとは指定していませんが、世界屈指のレストランガイドで要職を務めた女性ディレクターや、世界中の美食家(フーディー)を束ねる国際的フードジャーナリストたちの生態が生々しく反映されています。権力と美貌、そして研ぎ澄まされた舌を兼ね備えたその人物造形は、国際ガストロノミー界のリアリズムそのものでした。
同時に注目すべきは、女優としての冨永愛に対するネット上の評価のパラダイムシフトです。キャスティング発表当初、一部のSNSや掲示板では「モデル出身で民放連ドラの主要キャストは荷が重いのではないか」といった懐疑的な声も散見されました。しかし第1話の登場シーン以降、その評価は180度覆ることになります。
鋭利な刃物のような視線、微かな口元の震えで表現する内心の葛藤は、視聴者に「冨永愛以外にこの役は絶対に成立しなかった」と確信させました。この鮮烈な演技力が高く評価されたことで、彼女はNHKドラマ10『大奥』での徳川吉宗役をはじめ、本格派俳優としての確固たる地位を確立していくことになります。