果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)は、これ以上分解できない最小単位である「単糖類」に分類されます。化学式はどちらもC6H12O6と同じですが、分子構造が異なるため、体内に取り込まれた後の挙動は根本から異なります。
血糖値の上昇度合いを示すGI値(グリセミック・インデックス)を比較すると、その差は一目瞭然です。ブドウ糖のGI値が基準となる100であるのに対し、果糖のGI値はおよそ20前後と非常に低い数値を記録します。「GI値が低いから健康的」と短絡的に評価されがちですが、これこそが落とし穴の始まりです。
決定的な違いは吸収と代謝の経路にあります。ブドウ糖は小腸から吸収された後、血液中に溶け込んで全身へ運ばれ、インスリンの働きによって筋肉や脳、各組織のエネルギー源として消費されます。一方、果糖は小腸から吸収された直後、門脈を通ってその大半が肝臓へと直行します。全身の細胞で直接エネルギーとして使われる割合はごくわずかで、処理の負担が肝臓に集中します。