鑁阿寺の境内を歩くと、一般的な寺院とは異なる独特の構造に気づかされます。敷地全体がほぼ正方形(約4万平方メートル)の方形居館となっており、周囲には幅約8メートルに及ぶ水堀と土塁が完全に残されています。この鎌倉時代の武士の館の形態を色濃く残していることから、寺院でありながら「足利氏館(あしかがしやかた)」として日本100名城(15番)に選定されています。
境内中央に鎮座する本堂は2013年に国宝に指定されました。正安元年(1299年)に足利貞氏(足利尊氏の父)によって再建された禅宗様(唐様)を取り入れた密教仏堂で、鎌倉時代後期の堂々たる木造建築美を今に伝えています。さらに、境内には重要文化財である一切経堂や鐘楼、県指定文化財の太鼓楼や山門(仁王門)など貴重な文化財が立ち並び、中世の息吹を肌で感じられる見どころが満載です。