世界的な学術組織であるナショナルジオグラフィック協会が支援する最新の研究プロジェクトでは、超高解像度の水中マイクロCTカメラやバイオロギング技術を用いて、野生ウミガメの四肢の動きがミリメートル単位で立体解析された。科学ジャーナリズムの第一線で報道されたその映像は、従来の教科書的な知見を覆す動きを捉えていた。
前肢のヒレを振る際、ウミガメは単純に上下に仰いでいるのではない。人間で言えば肩甲骨から腕全体を複合的に回転させ、流体力学的な「揚力」を生み出している。外見上は一体化したヒレのように見えても、内部の骨格と筋肉は複雑に連動しており、4本の足という原始的骨格構造を巧みに応用して鳥類の羽ばたきに近い高効率な運動を実現していることが証明されたのだ。