陶芸の世界には、土を主原料とする「陶器」と、石の粉を主原料とする「磁器」という二つの大きな分類が存在します。前者は温かみと素朴さが特徴であり、後者は硬質で滑らかな美しさを誇ります。亀田大介の作品の魅力は、まさにこの二つの境界を自在に行き来する独自のテクスチャーにあります。
彼の代名詞とも言える白磁や灰釉の器は、一般的な磁器のような冷たさを感じさせません。微細な粒子の表情や、焼き上がりによって現れる微小な貫入(かんにゅう:釉薬の表面に入る細かいヒビ)、窯の中で火と釉薬が起こす自然な変色。それらが絶妙な塩梅で残されています。
アンティークの気品を纏う「灰釉」と「白磁」
亀田氏の白磁は、どこかヨーロッパの古いピシェ(水差し)や、李朝(朝鮮王朝時代)の無骨ながらも気品ある陶磁器を思わせる空気感を醸し出しています。光の当たり方によって表情を変える独特のマット質感は、天然の木灰をベースにした釉薬の調合と、緻密な温度管理によるものです。
削ぎ落とされたシンプルな造形の中に、手仕事特有の微かな揺らぎが残る。この微妙な「歪み」や「厚みの緩急」こそが、工業製品には決して真似できない存在感を生み出しています。