ファンの記憶に最も深く刻まれているのが、霞柱・時透無一郎との心理戦と壮絶な死闘だ。鍛冶職人の遺体を集めて自作の「芸術作品」と称して見せつける場面では、鳥海の演技の真骨頂が炸裂した。恍惚とした語り口から一転、無一郎に作品を酷評された途端に剥き出しになる幼稚な激昂。この高低差の激しさが、視聴者の背筋を凍らせた。
アフレコにおいて鳥海は、玉壺を単なる加害者ではなく「誰にも理解されなかった孤独な破綻者」としても捉えていたという。自己顕示欲の化け物でありながら、どこか滑稽で哀れ。無一郎の冷徹な毒舌に翻弄され、徐々に余裕を失っていくテンポ感は、台本上の言葉を超えた生々しいアドリブ感すら漂わせていた。