張り詰めたシリアスな展開が多い中で、富岡義勇の愛すべき人間性を決定づけたのが、那田蜘蛛山編での胡蝶しのぶとのやり取りです。鬼である禰豆子を庇う義勇に対し、しのぶが放った「そんなだからみんなに嫌われるんですよ」という痛烈な一言。それに対し、義勇は真顔でこう返しました。
「俺は嫌われてない」
感情を荒らげることもなく、淡々と事実であるかのように言い放つこのシーンは、ファンの間でも屈指の人気場面として親しまれています。しのぶから「ああ それ…すみません 嫌われている自覚がなかったんですね 余計なことを言ってしまって」と返されるまでのシュールな間合いは、アニメ版の絶妙な演出も相まって大きな話題を呼びました。
義勇が決して傲慢なのではなく、「他者からの悪意に無頓着なほど純粋」であり、「コミュニケーションが極端に不器用」であることを象徴する場面です。最強クラスの剣士でありながらどこか抜けているギャップが、義勇というキャラクターの親しみやすさと魅力を倍増させています。