アオイを語るうえで避けて通れないのが、彼女が抱えていた重い過去と自己嫌悪です。
幼少期、家族全員を鬼によって惨殺されたアオイは、胡蝶カナエ・しのぶ姉妹に引き取られ、蝶屋敷で育ちました。家族の仇を討つため、そして誰かを守るために鬼殺隊の剣士を目指し、育手のもとで「水の呼吸」を習得。過酷を極める最終選別へと挑みます。
結果としてアオイは最終選別を生き残り、正規の鬼殺隊士となりました。しかし、選別を突破した実力がありながら、彼女が日輪刀を握って鬼狩りの前線へ出ることはありませんでした。その理由は、選別の最中に味わった「鬼への底知れぬ恐怖」に心を圧迫され、戦う勇気を失ってしまったためです。
本人は「運良く生き残っただけの腰抜け」「呼吸も満足に使えない役立たず」と激しく自分を責め続けていました。しかし、彼女の適性は医療や調合、隊士の身体ケアという「生命を再生させる現場」でこそ真価を発揮します。剣を振るうことだけが鬼殺隊の戦いではないことを、彼女は蝶屋敷の日々を通じて証明していくことになります。