半天狗の過去における最大の特徴は、自らのアイデンティティすら嘘で塗り固められていた点にあります。公式設定によると、彼は人間時代、都合が悪くなるたびに名前、年齢、出身地を偽り続けていました。その結果、最終的には自分自身の本当の名前や生年月日、生まれ故郷すら分からなくなっていたという異常な虚言癖を抱えていたことが判明しています。
さらに恐るべきは、家庭を持った際の異常行動です。半天狗は生前、生涯の中で複数回にわたり結婚し、妻子をもうけていました。しかし、彼が日常的に吐く嘘や不誠実な態度をとがめられたり、嘘を指摘されたりすると、激しい逆上を起こして自らの妻や子供を容赦なく惨殺する凶行を幾度となく繰り返していたのです。家族を手にかけた後も反省することは一切なく、環境を変えては再び偽りの自分を作り上げ、同様の惨劇を再生産し続けました。
生き延びるための手段として彼が好んで使ったのが「盲目の弱者」を演じることでした。目が見えない哀れな老人を装って人々の同情を誘い、懐に入り込んでは盗みや殺傷を重ねていたのです。己の欲望を満たすために他人の善意を徹底的に踏みにじる手口は、後年の「被害者面」の原点ともいえる狡猾さを物語っています。