アニメ第13話「命より重いもの」および第14話で見せた響凱の死亡シーンは、ファンの間でも屈指の感涙シーンとして語り継がれています。
戦いの中、散らばっていた響凱の書き遺した原稿を、炭治郎は踏まないようにステップを交わしながら接近しました。そして頸を斬り落とす瞬間、炭治郎は真っ直ぐに響凱を見つめ、「君の血鬼術は凄かった」と言い残します。
頸を落とされ消滅していく最中、響凱は涙を流しながら自問します。
「小生の血鬼術は……小生の書いた物は……塵などではなかった」
かつて誰にも認められず、土足で踏み躙られた自分の魂を、命を奪いに来た敵の剣士が認めてくれた――。この一瞬の理解によって、響凱は積年の劣等感と呪縛から解き放たれ、静かに灰となって消えていきました。
この繊細で重厚な心理描写を完璧なものにしたのが、声優・諏訪部順一氏の怪演です。低く威厳に満ちた声の中に、常に滲み出る乾いた孤独感と焦燥感。最期に涙を流して呟く台詞のトーンは、視聴者の心を強く揺さぶりました。