山口線がこれほどまでに歴史的ロマンを感じさせる背景には、長州出身で「日本の鉄道の父」と称される井上勝の存在がある。明治維新の激動期に英国へ留学し、鉄道建設の技術と重要性を学んだ井上は、日本の近代化を推し進める上で鉄路の敷設に生涯を捧げた。
新山口駅から津和野駅へと至るルートは、単なる移動手段を超えて、先人たちの情熱と技術革新の歩みを今日に伝える生きた博物館である。津和野の街並みには古き良き武家屋敷が残り、かつて井上勝らが思い描いた「鉄道による国の発展」が、時を超えて観光資源として実を結んでいる様子を直に感じることができる。