一見すると生まれながらの無敵の鬼に見える鬼灯だが、実は元々「人間」であったという過去をご存じだろうか。彼がなぜ地獄の第一補佐官にまで上り詰めたのか、そのルーツには極めて凄惨で切ない裏設定が存在する。
彼は大昔、村の雨乞いのための「生贄」として人身御供にされた孤児の少年「丁(ちょう)」であった。村人たちの勝手な都合で命を奪われた彼の遺体に、黄泉の国の鬼の火が宿ったことで鬼へと変貌を遂げたのだ。後に伊邪那美命(イザナミ)のもとで地獄の改定に携わり、閻魔大王から「鬼灯」の名を与えられることになる。自身を犠牲にした人間社会への恨みや冷眼が、現在の冷酷ながらもブレない芯の強さを形成したことは明白だ。この凄惨な生い立ちを知ると、彼が魅せるふとした優しさや、動物たちへの愛護精神の深さに新たな味わいが生まれてくる。