広田レオナのルーツを語る上で欠かせないのが、若い頃の華麗な経歴です。幼少期より英才教育としてクラシックバレエを叩き込まれ、単身ベルギー王立アンデルレヒト・バレエ学校へ留学。将来を嘱望されたバレリーナでしたが、不運な怪我により舞踊の道を断念せざるを得ませんでした。しかし、その挫折が彼女を銀幕の世界へと導きます。1983年の映画『だいじょうぶマイ・フレンド』で鮮烈な女優デビューを飾り、日本人離れした美貌と圧倒的な存在感で一躍脚光を浴びました。
その後、女優業にとどまらず自らの美学を投影する映画監督としての道を開拓。『DRUG GARDEN』(2000年)や、美男子のみをキャストに起用した異色作『お江戸のキャンディー』シリーズなど、唯一無二の色彩感覚と耽美的な世界観を持つ作品群を世に送り出し、カルト的な人気を博しました。
そんな彼女の人生を支え続けてきたのが、子供たちの存在です。前々夫との間に生まれた長男・マーク(広田雅裕氏)は、クリエイターや俳優として母を支え、そして吹越満との間に誕生した長女・咲良(さくら)は、母譲りの透明感とアーティスティックな感性を受け継ぎ、表現活動の道を歩んでいます。広田レオナは娘・咲良の成長を何よりも喜び、自身のSNSでも時折、母娘の温かな日常や深い信頼を覗かせています。病床にあっても母としての責任と愛情が、彼女が闘病に立ち向かう最大の原動力となっていることは間違いありません。