インターネット上のレビューや動画コンテンツでは、時に「大食いチャレンジの店」「大味なデカ盛り寿司」といった短絡的なラベルが貼られることがあります。しかし、現地取材と職人の所作をつぶさに観察すれば、そうした見方がいかに表面的な誤解であるかが明白になります。
巨大なシャリを握るには、通常の寿司以上に高度な技術が求められます。米粒を潰さずに内部に適度な空気を含ませなければ、ただの硬い米の塊になってしまうからです。茂八寿司の職人が握る寿司は、指先で持ち上げるとずっしりとした重量感がありながら、口に含むとハラリとほどける絶妙な空気感を保っています。
また、名物の厚焼き玉子にしても、均一な火入れと滑らかな食感を実現するために、焼き台につきっきりで火加減を調整し続ける熟練の勘が注ぎ込まれています。「大味」という先入観を抱いて訪れた旅行者の多くが、最初の一口でその丁寧な仕事と深いコクに驚かされるのはこのためです。