本作の推進力となっているのが、冷酷な若き親衛隊長を演じたイー・ヤンチェンシーと、飄々とした下級兵士に扮したシェン・トンの強烈なコントラストだ。アイドルグループ出身でありながら実力派俳優として確固たる地位を築いたイー・ヤンチェンシーは、感情を押し殺した鋭い眼光で画面を支配する。
対する喜劇王シェン・トンは、保身のために立ち回る小悪党のような軽妙さを見せつつ、物語の核心に近づくにつれて凄絶な覚悟を滲ませていく。コミカルな掛け合いから一瞬で命懸けの騙し合いへと転換する二人の化学反応は、観る者の感情を激しく揺さぶる。