怪盗ねこぴーを“正義の味方”として無条件に信じるのは危険だ。ここでは、ネットの盛り上がりの中で見落とされがちな盲点を指摘したい。
まず、告発の“証拠”とされる文書や音声は、本当に検証可能なものばかりではない。2026年5月には、怪盗ねこぴーが公開した内部資料の一部が加工されていた可能性を、独立系ファクトチェック団体が指摘した。この指摘は大きく拡散されなかったが、情報の受け手としては重要な論点だ。
次に、怪盗ねこぴーが何らかの“損害賠償請求”を受けた場合、その責任は誰にあるのかという問題がある。拡散したファンにも法的リスクが及ぶ可能性はゼロではない。匿名アカウントの情報をリツイートや引用で拡散する行為は、状況によっては名誉毀損や信用毀損の加担とみなされる余地がある。
さらに、これは社会学的に見ても興味深い現象だが、正体がわからない存在に“正義”を投影する心理は、かつての怪盗ルパンやねずみ小僧を待望した民衆心理と構造が似ている。実在する不正への怒りが、匿名のヒーローへの過剰な期待に転化されている面がある。