作品を語る上で欠かせないのが、三姉妹の末っ子アグネス役を演じた芦田愛菜との共演だ。第一作の収録当時、まだ幼かった彼女と笑福亭鶴瓶によるマイク前のやり取りは、演技を超えた本物の温かさを帯びていた。
計算し尽くされたプロの声優同士の掛け合いとは異なり、二人が生み出す自然体の会話劇は、作品に唯一無二のリアリティをもたらした。アグネスの無邪気なおねだりにたじたじになるグルーのリアクションは、吹き替え現場の空気感そのものが反映されたかのようにみずみずしい。この黄金コンビの存在こそが、シリーズ全体の根幹を支える情感の源泉となっている。