「赤か、青か」は、サスペンスとしての構成美と心理戦の緊迫感が極限まで高められた、シリーズ屈指の傑作エピソードです。
物語は、林功夫が自らの研究室に不法侵入した警備員を誤って撲殺してしまう場面から始まります。林はその罪を隠蔽するため、遊園地の観覧車に時限爆弾を仕掛け、大掛かりな爆破予告事件を自作自演。警察の捜査の目を爆弾テロへと逸らそうと画策しました。
観覧車のゴンドラ内に閉じ込められた古畑に対し、林は無線を通じて爆弾の解除方法を指示します。「赤か青、どちらか一方のコードを切ればタイマーが止まる」。絶体絶命の極限状態の中、古畑は林の発した何気ない言葉の矛盾や心理的トラップを冷静に見破り、見事に危機を脱出します。
林が仕掛けた周到なアリバイトリックと爆弾の解除シークエンス。知力と知力が正面から衝突するスリリングな展開は、今見返しても息をのむ完成度を誇っています。