医療従事者を目指す学生にとって、理学療法の解剖学国家試験における定番の難所がこの深層外旋六筋の名称と位置関係の把握だ。骨盤後面の仙骨・寛骨から大腿骨大転子近傍へと走行する6つの筋肉は、上から下へと規則正しく並んでいる。
構成する6つの筋肉は以下の通りだ。
- 梨状筋(りじょうきん):仙骨前面から大転子先端に付着し、坐骨神経の真上をまたぐ最上部の筋肉。
- 上双子筋(じょうそうしきん):坐骨棘から起こり、内閉鎖筋の腱を上下から挟み込む上側の小筋。
- 内閉鎖筋(ないへいさきん):閉鎖膜の内面から起こり、骨盤腔を出て直角に折れ曲がり大転子へ向かう。
- 下双子筋(かそうしきん):坐骨結節から起こり、内閉鎖筋腱の下部を支持する小筋。
- 外閉鎖筋(がいへいさきん):閉鎖膜の外面から大腿骨転子窩へ走行し、股関節を前方・下方から支える。
- 大腿方形筋(だいたいほうけいきん):坐骨結節から転子間稜へと走る四角形の筋肉で、強力な外旋力を発揮する。
臨床現場や試験対策で広く活用されている最も効率的な深層外旋六筋の覚え方・語呂合わせは、位置関係の順序(上から下)をそのままリズミカルに覚える手法だ。
【鉄板の語呂合わせ】:『梨(り)の上(じょう)に、内(ない)下(か)外(がい)大(だい)』
(解説:梨状筋 → 上双子筋 → 内閉鎖筋 → 下双子筋 → 外閉鎖筋 → 大腿方形筋)
特に上双子筋と下双子筋は、間に内閉鎖筋をサンドイッチのように挟み込んでひとつの腱として停止部に向かう構造を持つ。さらに最下部に位置する大腿方形筋の作用は、股関節の外旋だけでなく内転運動のアシストや歩行立脚初期の骨盤制御に深く関与している。この空間的配置を頭の中で3次元的に整理することが、正確な触診とアプローチの第一歩となる。