プラリア治療における最大の警戒ポイントは、患者が「骨密度が上がったからもう治った」「通院が面倒になった」と自己判断で注射をやめてしまうことです。
ビスホスホネート製剤は骨の表面に長期間沈着するため、服用を中止してもしばらく効果が残存します。しかし、抗体製剤であるプラリアは体内から薬が抜けると骨吸収抑制効果が完全に消失します。それどころか、薬によって抑え込まれていた破骨細胞が一気に活性化し、骨代謝が急激に亢進する「リバウンド現象(オーバーシュート)」を引き起こします。
この休薬・中断期には骨密度が急速に低下し、投与開始前の水準まで戻ってしまうだけでなく、背骨が複数箇所同時に潰れる「多発性椎体骨折」のリスクが急上昇することが国際的な臨床研究で判明しています。万が一、体調不良やスケジュールの都合でプラリアの投与間隔が半年を過ぎて遅れた場合は、決して放置せず、数週間以内であっても直ちに主治医へ連絡して注射を受ける必要があります。
仮に何らかの理由でプラリアを終了・中止せざるを得ない場合は、リバウンドによる骨折を防ぐため、速やかにビスホスホネート製剤などの後続薬へ切り替える「シークエンシャル(順次)治療」を行うことが必須ルールとなっています。