このスキャンダルは、コンピュータゲーム産業全体のルールを不可逆的に書き換えた。最大の遺産となったのは、ゲームレーティング制度の厳格化だ。それまで「画面上に通常プレイで表示されるコンテンツ」のみを審査対象としていたESRBは、ディスクや実行ファイル内に潜む「未公開の隠しデータ」まで申告・審査の対象に含める規定へと舵を切った。
開発スタジオにとって、未使用コードの完全消去と厳密なデータサニタイズは義務となった。クリエイターが密かに仕込むイースターエッグの自由は狭まったかもしれない。だが、産業がメインストリームの文化として社会的責任を果たすための痛烈な通過儀礼だった。