柄本明と安藤サクラがこれほど自然体で風通しの良い関係を築けた背景には、2018年10月に逝去した母・角替和枝さんの存在が極めて大きく作用しています。
安藤サクラが2017年に第一子を出産後、NHK連続テレビ小説『まんぷく』(2018年度後期)のヒロインオファーを受けた際、彼女は育児との両立に悩み、一度は出演を諦めかけました。その背中を力強く押したのが角替和枝さんでした。「これをやらないなら女優をお辞めなさい」「あんたがバカなのは知ってるんだから、バカになって飛び込みなさい」という愛情深い叱咤激励により、サクラさんは朝ドラ史上初となる「ママさんヒロイン」としての挑戦を決意しました。
家族の絆を誰よりも大切にしていた和枝さんのスピリットは、今も柄本家に息づいています。トーク番組やメディアインタビューで語られた日常エピソードによると、柄本明は義理の娘である安藤サクラに対して一切の干渉をせず、孫を交えて食卓を囲む際もフラットな一人の人間として接しているといいます。
安藤サクラ自身も、義父・柄本明について「家の中ではとても穏やかで、余計なアドバイスは一切押し付けない」「それでいて、役者としての佇まいそのものから学ばせてもらっている」と語っており、家族でありながらプロフェッショナル同士の清々しい信頼関係が成立しています。