物語のクライマックスにかけて見せた宇佐美の死に様と行動は、多くの読者の心に強烈なトラウマと動揺を残した。彼の真の目的とは、金塊そのものでも、北海道独立の野望でもなかった。ただ一筋に、鶴見篤四郎の描く未来の駒として完璧に機能し、最期までその「特別」であり続けることだったのだ。
原作コミックスの単行本化に際して追加・修正された未公開エピソードや加筆コマでは、彼の内面描写がより一層掘り下げられている。凶行の裏に隠された孤独や、同僚である尾形百之助や月島基に対する屈折したライバル心など、ページをめくるたびに新たな謎と解釈が浮かび上がる。
最期の瞬間まで鶴見の言葉に救われ、満足気な笑みを浮かべて息絶えた宇佐美。彼にとっての狂気とは、生きる意味そのものだったのだ。