Q1:アシリパはなぜ最初から杉元を呼び捨てにしなかったのですか?
A1:アイヌ文化において、見知らぬ成人男性や初対面の旅人に対して礼節を尽くすのは当然のマナーでした。元軍人として威厳を持ち、命の恩人でもある杉元に対し、一人前の立派な男性への敬意を込めて「杉元ニシパ」と呼びました。
Q2:ニシパは女性にも使えますか?女性版の呼び方は何ですか?
A2:ニシパは男性専用の語彙であるため、女性には使いません。立派な既婚女性や奥様、貴婦人に対しては「カトゥケマッ(katkemat)」という敬称が用いられます。
Q3:キロランケや尾形、土方歳三は作中でニシパと呼ばれていますか?
A3:キロランケはアイヌの文化圏の成人男性として自然にニシパの枠組みに位置付けられます。また、和人の長老である土方歳三などもアイヌから見れば典型的な「威厳あるニシパ」の条件を満たしています。作中では文脈や話者によって「ニシパ」や名前での呼び分けが行われています。
Q4:アイヌ語で「貧しい人」やニシパの対義語は何と言いますか?
A4:アイヌ語で貧しい人や恵まれない境遇の人を指す言葉には「ウェンペ(wenpe=悪い者・貧しい者)」などがあります。ただし、アイヌ社会では富を分かち合う相互扶助が機能していたため、ニシパがそうした人々を支える役割を担っていました。