発行部数は実売で150万部超。写真集としては空前絶後、今後も破られることはないであろう金字塔である。当時、出版を手掛けた朝日出版社には注文の電話が鳴り止まず、印刷所は昼夜を問わずフル稼働を続けた。従来のヌード写真集が男性向けの限定的なマーケットに留まっていたのに対し、本作を買い求めたのは男性ファンだけではない。同年代の若い女性たちまでもが、美しい装丁のアートブックとしてレジへと運んだ。
この現象は出版業界のビジネスモデルそのものを塗り替えた。単なるグラビアの延長ではなく、洗練された美術品としての価値を提示したことで、写真集という表現ジャンルの社会的地位を一段引き上げたのだ。テレビのワイドショーは連日特集を組み、新聞のコラムでも文化論として論評されるなど、一冊の本が国境や世代を超えて社会全体を巻き込む巨大なうねりとなった。