2019年に発生したあおり運転事件は、日本の道路交通における安全神話を根底から覆した。高速道路の追越車線で被害車両の前に割り込み、強制的に停止させたうえで運転席の男性に暴行を加えるという暴挙は、ドライブレコーダーの鮮明な映像によって可視化された。
現場で異彩を放っていたのが、助手席から携帯電話のカメラを向け続けていた喜本奈津子の存在である。二人の奇妙な連携と犯行後の逃走劇は、視聴者に強い不快感と恐怖を与えた。ガラケーを手にした彼女が暴行の瞬間を撮影する様子は、事件の異様さを象徴する光景として連日報じられた。
加害行動の背景には、強烈な被害妄想と自己正当化の心理が働いていたとされる。自身の思い通りにならない状況に直面した際、暴力を手段として相手を屈服させようとする歪んだ攻撃性が、あのような極端な形で爆発したと言える。