宮崎県美郷町などに伝わる白髭神社最大の圧巻は、例大祭で奉納される「白髭神社神楽」です。夜を撤して舞い続けられるこの神事には、古代から続く民俗信仰の神髄が凝縮されています。
笛の澄んだ音色と太鼓の地響きのようなリズムが山あいに響き渡る中、神々を模した面をつけた舞手が神聖な舞を繰り広げます。舞の一つひとつには、豊作への感謝、悪霊退散、そして集落の平穏への願いが込められています。
この神楽は単なる観賞用の芸能ではありません。地域住民(氏子)の手によって何世代にもわたり口伝で守られてきた魂の継承です。篝火(かがりび)の炎が揺らめく夜の神社は、まるで異界と現世が交差するかのような幻想的な情景を作り出します。