大野が推し進めるプロジェクトの根幹にあるのは、急成長を続ける宮古島のリゾート開発産業に対する独自のアンチテーゼと美学だ。ただ資本を投下して観光客を集めるだけの商業主義とは一線を画し、彼が目指しているのは「アートと自然が共生する滞在型複合空間」である。
敷地内には宿泊機能だけでなく、自身が創作活動に没頭できる本格的なアトリエスペースや、プライベートギャラリーの構想が盛り込まれているという。かつて個展を開催し、画家・造形作家としても極めて高い評価を受けた彼にとって、宮古島の強い光と豊かな色彩は創作意欲を刺激する最高のカンバスだ。島の大自然からインスピレーションを受け、誰の目も気にせずキャンバスに向き合う日々。それは彼が長年渇望していた、表現者としての純粋な原点回帰に他ならない。