ネット上の議論では、「共感性羞恥を感じない人は冷淡で思いやりがない」「サイコパス的な傾向があるのではないか」といった極端な言説が散見されますが、これは心理学的に完全な誤解です。
共感性羞恥を感じない人は、他人の痛みに無関心なのではなく、「心理的バウンダリー(自他境界線)」が明確に確立されているに過ぎません。「相手は失敗して困っているが、それは相手の課題であり、私自身の問題ではない」と無意識のうちに線引きができているため、過剰な情動感染に巻き込まれずに済んでいるのです。むしろ感情的に取り乱さない分、失敗した当事者に対して冷静かつ現実的なサポートを差し伸べられる強みを持っています。
逆に、共感性羞恥が強すぎる人は、相手の気まずさに圧倒されるあまり「その場から逃げ出したい」「見なかったことにしたい」という自己防衛が先立ち、結果として当事者を放置してしまうケースもあります。また、この強い共感性は欠点ばかりではなく、「他人の不快感にいち早く気づいて先回りした気配りができる」「組織内の小さな不協和音を察知してトラブルを未然に防ぐ」といった、優れた危機管理能力やホスピタリティとして発揮される側面も持ち合わせています。