大きいネズミと暮らす日常?知られざる生態とリアルな飼育事情に関する主要な事実を丁寧にまとめました。最新データをご確認ください。

日本における野生動物との共生を語るうえで、昭和から平成にかけて「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家・畑正憲氏の存在は外せない。種を超えて動物を抱きしめ、同じ目線で生きる彼の型破りなスタイルは、多くの日本人に動物飼育のロマンを植え付けた。現在の大柄なげっ歯類を家族として迎え入れる風潮も、そうした原体験的な動物愛の系譜に連なっているといえるだろう。

しかし、情熱だけで動物と暮らせる時代は終わった。現代のエキゾチックペット産業が急拡大を遂げる中、日本エキゾチック動物学会などの専門医グループからは、生息環境の特殊性や専門医療の不足に対する懸念の声が上がっている。珍しい動物を輸入・繁殖させて販売するビジネスが活況を呈する一方で、終生飼育に関する正確な情報提供が追いついていないケースも散見される。情緒的な憧れと、動物福祉に基づいた科学的な管理技術とのバランスが、いま厳しく問われている。