映画界におけるゲイリー・オールドマンを語る際、長年ネットや映画ファンの間で議論されてきたのが「なぜこれほどの名優が長年オスカーを獲れなかったのか」という疑問です。
実は、彼が初めてアカデミー賞にノミネートされたのは2011年の『裏切りのサーカス』であり、キャリア開始から25年以上もノミネートすらされないという不遇の時代が続きました。これにはハリウッド特有の業界構造が関係しています。
オールドマンは若い頃、アカデミー賞の政治的なロビー活動や商業主義に対して公然と批判的な発言を繰り返していました。また、過激な悪役のイメージが強すぎたことや、イギリス出身でハリウッドの社交界と距離を置いていたことも賞レースで不利に働いたとされています。
しかし、本物の才能は最終的に正当な評価を勝ち取ります。2017年の『ウィンストン・チャーチル』において、特殊メイクの辻一弘氏とともにオスカー像を手にした瞬間、ハリウッド中がスタンディングオベーションで彼を称えました。無冠の天才が実力だけで頂点に上り詰めたドラマは、映画史における痛快なハイライトの一つです。