入館してすぐのホールで来館者を迎えるのが、1927(昭和2)年に東洋初の地下鉄(上野〜浅草間)として開業した当時の車両、東京メトロ銀座線1001号車です。車体は鮮やかな黄色(リバース・イエロー)に包まれ、2017年には鉄道車両として極めて価値の高い国指定重要文化財に指定されました。車内には開業当時の木目調の内装や、駅の手前で一瞬電灯が消えて予備灯が灯る「第三軌条ギャップ」の再現ギミックが施されており、昭和初期のモダン東京の息吹をそのまま伝えています。
その隣に並ぶのは、1954(昭和29)年の丸ノ内線開業時に登場した丸ノ内線301号車。真っ赤なボディに白い帯、銀のサインウェーブ(波模様)をあしらった流線型のデザインは、戦後日本の復興と地下鉄のモダンデザインを象徴する名車です。運転席や客室シートに腰掛けて当時の空気感を肌で体感できます。
さらに奥へ進むと現れるのが、巨大な「メトロパノラマ」です。東京メトロの全路線と東京タワー、スカイツリーなどの名所を凝縮した精緻なHOゲージジオラマで、1日4回程度開催される運行ショーでは、過密ダイヤを正確無比に走る東京の地下鉄ネットワークが一斉に稼働します。照明が夜景へと移り変わる演出とともに、地下と地上を行き交う車両群の連動システムは圧巻のひと言です。
土木工学ファンを唸らせるのが、地下鉄トンネルを掘り進める実物大シールドマシン・カッターヘッドの模型とシールドトンネルの断面展示です。軟弱な東京の地盤をいかにして崩さずに掘削し、高密度の地下空間に立体交差を築き上げたのか。過密都市東京を地下から支える技術者たちの執念と英知が、迫力ある構造模型を通じて克明に解説されています。