バルカン300の存在は、物語が進行するにつれて単なるギャグアイテムの域を完全に脱していく。ガッシュにとってバルカンは、生まれて初めて「自分のためだけに作られた宝物」だった。強大な魔物たちが繰り広げる壮絶な戦いの中で、ボロボロになっても清麿の手で何度も修復される姿は、二人の間に芽生えた絆の固さを象徴していた。
王位争奪戦の過酷な運命の中で、ガッシュ・ベルがどれほど過酷な試練に直面しても、胸のポケットや鞄の中には常にバルカンの面影があった。何百もの強力な呪文や魔界の武具が存在する中で、最も非力な紙箱が最強の精神的支柱となるコントラスト。これこそが王道少年漫画の真骨頂であり、多くの読者が涙した理由にほかならない。