石川県羽咋市役所の小さなデスクからすべては始まった。過疎化の波が押し寄せる地方都市で高野氏が立ち上げた「UFOによる町おこし」は、当時の行政常識を根底から揺さぶる挑戦だった。突拍子もない企画に見えながら、その骨組みは緻密な戦略に裏打ちされていた。
その情熱が結実した場所が宇宙科学博物館「コスモアイル羽咋」だ。単なるテーマパークではない。旧ソ連のヴォストーク補給船の本物や、NASAから返還不要の状態で借り受けたマーキュリー宇宙船カプセルなど、本物の機密級展示物が立ち並ぶ。行政枠に縛られず、世界と直接渡り合った男の手腕が結晶した場所である。