血圧の管理基準は、すべての年代で画一的なわけではありません。特に高齢者においては、血管の弾力性低下により収縮期血圧が上がりやすい生理的特徴があり、無理な降圧が逆効果をもたらす危険性も指摘されています。
日本高血圧学会のガイドラインが推奨する年代別の降圧目標値一覧は以下の通りです。
特に注目すべきは70代の血圧目標値に関する考え方です。70代前半までは基本的に130/80mmHg未満を目指しますが、75歳以上の後期高齢者ではまず140/90mmHg未満(家庭血圧135/85mmHg未満)を第一目標とします。
血圧を下げすぎると、脳や腎臓への血流量が低下してふらつきや立ちくらみを起こし、転倒による骨折や認知機能の低下を招くリスクがあります。現在の臨床現場では、「ただ数値を下げる」ことだけを目的とせず、患者の生活動作(ADL)やフレイル(虚弱)の状態を総合的に見極めながら処方を調整する個別化医療が主流となっています。