小学生の頃から舞台鑑賞に没頭し、役者になる未来しか描いていなかった少女。運命の歯車が大きく動いたのは、大手芸能事務所ホリプロが主催した名作舞台の主演オーディションだった。数千人の応募者の中から見事に主演の座を射止め、若干13歳で鮮烈なスポットライトを浴びることとなる。
当時の関係者が口を揃えるのは、彼女の物怖じしない度胸と透き通るようなハイトーンボイスだ。大人の俳優たちに囲まれながらも萎縮することなく、指示された演出意図をスポンジのように吸収していく吸収力。幼少期からクラシックや声楽に親しんでいたバックボーンが、早くも現場で異彩を放っていた。
しかし、鮮烈なスタートダッシュの後には厳しい現実も待ち受けていた。単発の話題性だけで終わらせないため、彼女は地道なレッスンと小さな舞台出演を愚直に積み重ねていく。スポットライトの陰で繰り返された地道な発声練習と台本読み込みこそが、のちの大輪の花を咲かせる養分となった。