ふたりの出会いは、高田さんが20代前半だった1970年前後にさかのぼります。当時、俳優を志して入団した劇団「自由劇場」の研究生仲間として出会ったのが勢子さんでした。
当時の高田さんは定職もなく、演劇活動に明け暮れる極貧生活を送っていました。食べるものにも困る日々の中で、勢子さんのアパートに転がり込む形で同棲生活がスタートします。生活費が底をつきかけた際、勢子さんは「この人は私が働いて食べさせてあげなければ」と、自ら働きに出て高田さんを支え続けました。
高田さんは後に当時を振り返り、「家賃も払えず、彼女のアパートに居候してご飯を食べさせてもらっていた。本当に頭が上がらない」と語っています。華やかな芸能界のイメージとは対照的な、泥臭くも純粋な下積み時代を共に過ごした経験が、ふたりの揺るぎない信頼関係の基盤となりました。その後、1973年頃にふたりは正式に結婚を迎えました。