高松を訪れる観光客の多くは、ガイドブックの筆頭に載る「一鶴 高松店」を目指します。確かに一鶴のスパイス配合と高温オーブンによる焼き技は完成されており、一度は食べる価値があります。しかし、現地取材と口コミ調査を行うと、「高松の地元民は一鶴の行列には並ばず、日常の行きつけを持つ」という明確な住み分けが見えてきます。
公式発表資料や飲食街の動向を追うと、高松市内には丸亀町、ライオン通り、瓦町といった繁華街に個人経営の骨付鳥居酒屋が数十軒点在しています。地元民が愛する穴場店の評判を紐解くと、評価基準は以下の3点に集約されます。
1. スパイスの個性と焼き加減のバリエーション
一鶴が胡椒とニンニクの強烈なインパクトを前面に出すのに対し、穴場店では醤油ベースのタレを効かせた香ばしいタイプや、十数種のハーブを配合して辛さを抑え旨味を引き立てるタイプなど、店主のこだわりが光ります。例えば「寄鳥味鳥」はスパイシーでありながら角が取れた奥深い味わいとして、女性や家族連れの常連客をガッチリ掴んでいます。
2. 鶏以外のサイドメニューの充実度
骨付鳥専門店ではメニューが鳥とキャベツ、おにぎり程度に絞られているケースが少なくありません。しかし地元民の夜の宴席では、瀬戸内の新鮮な地魚の刺身や讃岐コーチンの一品料理も同時に求められます。「蘭丸」のように、海鮮居酒屋としても超一級の料理を出しながら極上の骨付鳥を提供するハイブリッド店舗は、地元住民の接待や会食でも重宝されています。
3. アットホームな空間と居心地
ライオン通りの「骨付鳥一本がぶ丸 本店」のように、繁華街の真ん中で深夜まで豪快な一本焼きを提供し、スタッフと客の距離が近い店舗は、仕事帰りの会社員が気軽に立ち寄れるサードプレイスとして機能しています。観光特有の喧騒から離れ、地元の空気に溶け込みながら骨付鳥を味わえることこそが、穴場探訪の醍醐味と言えます。