香川県内でも屈指の親水景観を誇る鹿の井出水。春の訪れとともに水路の両岸からせり出すソメイヨシノやしだれ桜が、澄み切った清流を覆うように咲き乱れます。日本気象協会などの気象予測データを踏まえた2026年の桜の見頃は3月28日前後から4月上旬にかけてと見込まれており、満開期には水底の藻や水草の緑と淡いピンク色の花びらが織りなす圧倒的なコントラストを体感できます。
訪れる人々を最も惹きつけるのが、例年開花ピークに合わせて実施される夜間ライトアップです。地元の「鹿の井出水保存会」をはじめとする地域住民の手によって設置される照明が灯ると、漆黒の水面に満開の桜が鏡のように反転投影されます。点灯時間は日没(18:00頃)から21:00までとなっており、風のない穏やかな夜には息を呑むほどの「逆さ桜」が姿を現します。
さらに、見頃の終盤(4月第1週〜第2週初頭)に差し掛かると、水面に大量の花びらが浮かぶ「花筏(はないかだ)」が水流に乗ってゆっくりと流れていきます。昼間の木漏れ日を受ける透明な湧水と、夜間の艶やかなライトアップとでは全く異なる表情を見せるため、時間を変えて2度訪れる熱心な愛好家が後を絶ちません。