高樹沙耶が大麻問題に関わるようになった背景には、長年にわたるライフスタイルの変化がありました。1990年代から自然派志向を強め、フリーダイビング競技で日本記録を樹立するなど自然環境への関心を深めた彼女は、2000年代後半から「ロハス(LOHAS)」のアイコンとしてメディアに登場する機会が増加しました。
転機となったのは、2011年の東日本大震災と原発事故でした。安心・安全な暮らしを求めて千葉県南房総市から沖縄県石垣島へと移住。その過程で出会ったのが、海外で進む「医療用大麻(カンナビノイド)」の研究や、伝統的な産業用ヘンプの活用法でした。難治性てんかんや疼痛緩和、がん疼痛に対する海外の臨床データに強い感銘を受けた彼女は、日本国内でも医療大麻の研究解禁を求める運動へと急速にのめり込んでいきました。
その活動の集大成となったのが、逮捕わずか3カ月前の2016年7月に行われた第24回参議院議員通常選挙です。新党改革から東京都選挙区で出馬した彼女は、「医療用大麻の研究推進・認知症予防への活用」を堂々と公約に掲げて街頭演説を行いました。結果は約6万票を獲得したものの落選。その直後の逮捕劇だっただけに、世間からは「政治的主張の裏で自身が日常的に吸引していたのではないか」という激しいバッシングを浴びることとなりました。