フランス・ブルターニュ地方の伝統的な焼き菓子、ガレット・ブルトンヌ。厚焼きのクッキー生地から漂う発酵バターの香ばしさと、贅沢に使われた卵黄の深いコクが交差する、まさに焼き菓子の最高峰だ。生地の表面に卵黄液(ドリュール)を塗り、フォークで波模様を描いて焼き上げることで、美しい漆黒の艶と香ばしい焼き色が生まれる。
焼き菓子における卵黄の役割は単なるつなぎ留めではない。加熱することによって独特の香気成分を放ち、生地全体に奥行きのある風味をもたらすのだ。フィナンシェやマドレーヌのバリエーションとして、ほんの少し卵黄を加えるアレンジも密かなブームとなっている。一口食べれば止まらなくなる魅惑のザクザク感は、余りものの卵黄がもたらした奇跡のギフトと言えるだろう。