「ただ好意を伝えたかっただけ」「偶然同じ場所にいただけ」。警察や専門相談窓口に寄せられるトラブルのうち、加害者側の多くが口にする言い訳だ。恋愛感情の意図的なアピールと、相手に恐怖を与える嫌がらせの境目は、当事者同士の認識において大きくズレていることが少なくない。
決定的な事件が起きる前の段階では、警察も直ちにストーカー規制法を適用できないケースが存在する。毎朝同じ時間・同じ電車で偶然を装って近くに立ち続ける、自分のSNS投稿の直後に必ず意味深なコメントを残す——。単発では「マナー違反」や「過剰な親近感」として片付けられがちな振る舞いが、毎日繰り返されることで被害者は逃げ場を失っていく。