時代は17世紀のフランス。プレシ=プラプラン公爵の料理長であったセザール・ド・ショワズールが、落としたナッツに溶けたキャラメルが絡みついたことから偶然思いついたのが始まりとされる。公爵の名にちなんで「プララン(Pralin)」と名付けられたその製法は、やがてヨーロッパ全土へ広まった。
当初は貴族たちの贅沢な娯楽であったナッツのキャラメリゼは、産業革命と製菓技術の進化によって形を変えていく。ナッツを潰して滑らかなペーストにする技術が開発されると、洋菓子の可能性は爆発的に広がった。
さらに19世紀、フランス移民の手によって大西洋を渡ったプラリネは、アメリカ南部ニューオーリンズで「アメリカン・プラリネ」として開花する。現地の特産品であるピーカンナッツと生クリーム、バターをふんだんに使ったしっとりとした大判の砂糖菓子は、ヨーロッパのそれとは全く異なる独自の進化を遂げたのだった。