固まった油性インクを落とすには、定着樹脂を再び溶かす性質を持った有機溶剤が必要不可欠です。家庭内で調達できる代表的なアイテムとして「消毒用エタノール」「除光液」「クレンジングオイル」が挙げられますが、それぞれ落とせる仕組みと生地への攻撃性が大きく異なります。
市販のマニキュア除去に使われる除光液で落ちる理由は、主成分である「アセトン」という有機溶剤が、油性インクの樹脂を極めて短時間で強力に溶解するためです。瞬発的な分解力は群を抜いていますが、合成繊維を溶かしてしまう副作用を孕んでいます。一方で、アルコール濃度約70〜80%の消毒用エタノール落とし方は、皮脂や油性成分を程よく分解しつつ、綿やポリエステルなどの一般的な衣類を傷めにくいというバランスの良さから、家庭染み抜きのファーストチョイスとして推奨されています。
デリケートな服や色柄物には、油分で油分を浮かせるクレンジングオイル染み抜きが有効です。界面活性剤の働きにより、繊維を保護しながら穏やかにインク色素を浮き上がらせることができます。