「部屋を毎日掃除しているのになぜ虫が出るのか」と頭を抱える人は少なくない。実は、ヒメカツオブシムシ属が室内に発生する最大の理由は、外からの持ち込みにある。どこから侵入するのかというルートを辿ると、日常生活の何気ない行動が浮かび上がってくる。
成虫は日中に活発に飛び回り、キク科などの白い花に集まる強い走光性(光に引き寄せられる性質)を持つ。この習性により、ベランダに干した白い洗濯物や外出時の明るい色の服に成虫が付着し、人間自らが室内に運び込んでしまうケースが後を絶たない。また、窓を開けた際のわずかな網戸の隙間や換気扇を通じて外気から侵入することも珍しくない。
侵入した成虫は、光の届かないクローゼットの奥やタンスの引き出し、絨毯の隙間といった暗所を選んで産卵する。一匹のメスが産み落とす卵の数は数十個から100個近くに及び、それらが孵化することでクローゼット内部で爆発的に幼虫が繁殖してしまうのだ。