メディア業界の急激な地殻変動を象徴する出来事となったのが、産経新聞社が発行してきたタブロイド紙『夕刊フジ』の2026年1月末での休刊(紙版の発行終了)です。1969年の創刊以来、「オレンジ色のニクい奴」のキャッチコピーで駅売店やビジネス街のサラリーマンに親しまれてきた同紙の幕引きは、フジサンケイグループ全体の構造転換を如実に示しました。
関係者の証言や公式発表によると、休刊の背景には長引く原材料費(新聞用紙・インク)の高騰、輸送コストの増大、そして駅売店利用者の激減という三重苦がありました。長年グループ内で培われてきた「フジテレビの芸能ニュースと夕刊フジ・サンスポのスクープ連動」という強みが、読者の可処分時間のスマホ移行によって急速に効力を失った結果でもあります。
SNSやネット掲示板上では、長年の読者から「通勤帰りの楽しみが消えた」「昭和・平成のメディア文化の一角が崩れた」と惜しむ声が相次ぎました。一方で、グループ内では『夕刊フジ』の取材網をWebメディア『夕刊フジzakzak』や産経ニュースへ集約し、紙から完全デジタル課金・PVエコノミーへのシフトを加速させる契機ともなっています。