SNSやネット掲示板において、ACジャパンのCMが流れると「不気味」「怖い」「心臓に悪い」といった反応が多数投稿されます。視聴者がこれほどまでに強い感情を抱くのには、音響心理学および認知心理学の観点から明確な根拠があります。
第一に、サウンドロゴとトーンの落差です。バラエティ番組の明るいトークや賑やかなBGMから一転し、独特の「エーシージャパン」という無機質な音声や、社会問題を啓発する静かで重厚なナレーションが突如差し込まれることで、人間の脳は急激な覚醒状態(アラート反応)を強いられます。
第二に、過去の災害記憶との心理的連結(古典的条件づけ)が挙げられます。2011年の東日本大震災の直後、テレビCMが数週間にわたってACジャパン一色になった記憶が強い世代にとって、ACの連続放送は「未曾有の非常事態」「日常の喪失」を無意識に想起させるトラウマ的トリガーとして機能してしまいます。
さらに、ACジャパンの歴代CM一覧を振り返ると、いじめ問題、児童虐待、骨髄バンク登録、迷惑行為の防止など、視聴者の道徳心や倫理観に鋭く切り込むテーマが多く、一般的な商業広告のような「購買意欲を誘う楽しさ」が徹底して削ぎ落とされています。この真面目さ・緊張感の高さが、リラックスしてテレビを観ていた視聴者に居心地の悪さや恐怖感として受容されるのです。